北摂けものみち動物病院
DETAIL
茨木市にて動物たちの地域医療を支える総合動物病院の移転・新築プロジェクト。以前はビルテナントで診療を行っていたが、規模の拡大と高度総合医療に対応するための、木造2階建ての新たな病院の計画である。
敷地は北側の大通りから約30m入った場所に位置する。建物を敷地南側に寄せて配置し、北側に駐車場を集約することで、大通りからの視認性を高める配置計画とした。
動物病院において、外部に対して開くことができる機能は、主に待合室に限られる。まちに対して魅力的で入りやすい雰囲気をつくるため、西側の前面道路から北側の駐車場にかけて、待合室を柔らかなR形状で折り曲げながら連続するガラス面で構成した。これにより、待合室に空間的な変化と奥行き感を与えつつ、植栽の緑や外部の雰囲気を豊かに取り込む開放的な環境を生み出している。
このワンルームの待合空間に対して、「風除室」「セミナー室兼クローズドな待合スペース」「トイレ+手洗い」という3つの独立したヴォリュームを挿入した。適度な死角をつくることで待合室にさらなる居心地の変化を与えつつ、これらのヴォリュームは建築全体を支える構造要素としても機能している。待合室の天井にはラワン合板をリブ状に張り、空間に木の優しさをもたらすとともに、間接照明の柔らかな光と相まって、待合室のR形状の伸びやかなラインを美しく強調させた。
待合スペースに隣接して、3室の犬診察室、2室の猫診察室、1室の検査室を配置した。そこから奥へと向かって「処置室」を設け、さらにその奥へ「レントゲン室」「手術室」「入院室」といった諸室を集約。これにより、医療の機能性とプライバシーを両立させたゾーニングと、合理的でスタッフも働きやすい動線計画を実現している。
本計画では、専門性の高い高度な医療機能をしっかりと満たしながらも、通い慣れた「けものみち」ができるほど、動物や飼い主にとって身近で安心できる空間づくりを目指した。
- 用途
動物病院
- 所在地
大阪府茨木市
- 竣工
2023年10月
- 規模
283㎡
- 区分
新築
- 構造
木造
- 写真
河田弘樹

