大岡医院七条診療所
DETAIL
地域医療を支える耳鼻咽喉科として親しまれてきた、築40年を超えるRC造3階建ての1階部分のリノベーション計画。老朽化した内装の刷新に加え、患者の動線計画の見直しと、プライバシー保護の向上が求められた。
本プロジェクトにおける最大の制約は、休診期間である1ヶ月という限られた工期であった。この制約をクリアするため、通常の現場施工による間仕切り壁ではなく、事前に工場で製作した『家具』によって空間を仕切る計画とした。
その中心となるのが、受付・待合と中待合を緩やかに分節する7mの大型家具と、診察スペースやネブライザースペース、点滴室を仕切る2つのネブライザー台である。これらの家具には、改修前の空間で特徴的だったヒノキの素材感を踏襲し、新しい空間へと引き継いでいる。家具の表面には25mmの小幅板を採用した。最小搬入幅が900mmという物理的な制約に対し、家具を細かく分割して搬入・組み立てる必要があったが、小幅板の目地と家具のジョイント部分を等価に扱うことで、分割線が視覚的に消失するシームレスなディテールを採用している。診察室やネブライザースペースを囲むヒノキの家具の一部にはルーバーを採用することで、視線を遮ってプライバシーを守りつつも、光や空気、人の気配を柔らかく透過させている。
患者さんの動線を直線ではなく意図的にクランクさせ、家具のコーナー部分を滑らかな曲面で連続させることで、待合から診察室の奥へと抜ける視線をカットしながらも、患者さんを自然に奥へと導く動線計画を実現している。
- 用途
クリニック
- 所在地
京都市下京区
- 竣工
2025年8月
- 規模
105㎡
- 区分
内装
- 構造
RC造
- 写真
河田弘樹

