上田法衣仏具店

DETAIL

創業100年を誇り、京都の中心地で多くの本山御用達として確かな技と格式を紡ぐ老舗法衣仏具店のリノベーション計画。
本計画では、オートクチュールの法衣や多岐にわたる仏具を扱うため、膨大な布地や商品を魅せる「ギャラリー」、機能的に収める「倉庫」、仕立てを相談する「商談の場」という3つの機能を、ひとつの空間に統合することが求められた。
空間はエントランス側のギャラリーと、奥の中庭に面した商談スペースに分け、障子で緩やかに仕切った。開け放てば奥行きのある一体空間となり、閉めれば中庭の緑を望む静謐な和室空間へと変化する。
ギャラリーは、腰高の3種のナラ材什器で空間を分節。壁面と中央の島什器は、引き出しによる布地の収納と、天板やガラスケースでの美しい展示機能を両立させた。北側の什器は高さを変えてスタックし、展示台や作業エリアの目隠しを兼ねている。
意匠としては、什器のナラ材ヴォリュームによる「水平ライン」を強調し、障子や格子が持つ「垂直ライン」と対比させた。この調和が重厚で凛とした緊張感を生み出す。老舗の格式と機能美を成立させたこの空間が、新たな伝統をつくり出す拠点となることを願っている。

用途

法衣佛具店

所在地

京都市中京区

竣工

2025年12月

区分

インテリア

構造

鉄骨造

写真

河田弘樹